「武漢病毒襲来」廖亦武著、福島香織訳

公開日: 更新日:

 2020年1月23日、当局が武漢市をロックダウンしたその日、留学先のベルリンから帰国した歴史学者の艾丁は、北京空港に到着。武漢に帰るつもりだったが、妻に反対され、ひとまず彼女の実家がある長沙に向かう。長沙への機内で隣席の夫婦に問われ、艾丁が湖北人だと答えると、乗客たちはパニックに。感染者扱いされ、トイレに隔離されてしまう。ホテルでの隔離生活を終え、ようやく妻の実家にたどりついた艾丁は、妻からの電話で、武漢では死者が多数出て、遺体の回収が追い付かず、運搬車からあふれていると聞く。

 翌日には湖北籍という理由だけで水道が止められ、現れた防疫指揮部によって外からチェーンがかけられ、家の中に強制隔離されてしまう。それでも艾丁は、あらゆる手段を使って武漢を目指す。

 一方、感染源を突き止めるため武漢に侵入し、ウイルス研究所のP4実験室を探るネットジャーナリスト「キックリス」は国家安全局に追われる様子をネット中継する。

 亡命中国人作家が隠蔽された中国のコロナ禍のリアルを描いた実録小説。

(文藝春秋 2035円)

【連載】ワクチンの?を解決する本特集

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山田涼介が「令和最強アイドル」と評されるワケ…主演ドラマ「一次元の挿し木」は玉森裕太を三歩リード

  2. 2

    沈黙貫く橋本愛vs佐藤二朗「週刊新潮」で反論の泥沼化…SNS連投で"自滅"を心配する声も

  3. 3

    『ひよっこ』再放送記念、神回「ビートルズがやって来る」再録

  4. 4

    骨折で入院中ですが…ブラジルに惜敗した森保Jを巡る一部炎上報道で心が痛い

  5. 5

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  1. 6

    男子バスケ日本代表に激震、ホーバス監督“解任”の真相…過去には八村塁と確執も 

  2. 7

    孤立深まる高市首相…国会10日ぶり正常化でも続く“包囲網” 与党内からも反発の声噴出の自業自得

  3. 8

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  4. 9

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  5. 10

    村上誠一郎前総務相が高市政権バッサリ!「これが本当に保守政治なのか」…突きつけた自民「立党宣言」との乖離