「戦百景 桶狭間の戦い」矢野隆著

公開日: 更新日:

 信長が家督を相続して7年。周囲からうつけとそしられ、重臣たちからも見限られた信長だが、邪魔者を殺し、戦に勝ち続けることによって、織田弾正忠家の総領であり続けてきた。

 ある深夜、弟・信行の家臣・柴田権六が信長を訪ねてきた。衆道相手に執心する主を見限り、信行が謀反を企んでいることを告げにきたのだ。すべては信長の知るところではあるが、権六にはこれまで通り信行に接するよう命じ、信長は翌日から病の床に就く。信行を誘い出すための仮病だ。思惑通り、見舞いに現れた弟を始末した信長のこれから先の敵は、義父の道三を殺した斎藤義龍と、駿河遠江に加え三河を手中に収めつつある今川義元だった。

「桶狭間の戦い」を信長と義元の双方の視点から描く歴史小説。

(講談社 814円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に