「100万回死んだねこ」福井県立図書館著

公開日: 更新日:

 図書館には本の貸し借りをするだけでなく、「レファレンス」という大切な役割がある。簡単に言えば、利用者が探している本にたどり着くよう、司書が手伝うことだ。利用者に質問を重ねながら、正解を見つけていくのだが、中には難題なヒントを持ってくる人も。本書はそんなレファレンスで遭遇した「覚え間違いタイトル」を集めた面白読み物だ。

 惜しい覚え間違いの筆頭は「夏目漱石の『僕ちゃん』ありますか」。似ているが正解はもちろん「坊っちゃん」。ほかに「『下町のロボット』探してます」「『下町ロケット』ならございます」、「『ゴリラ爺さん』ありますか」「『ゴリオ爺さん』でしょうか」などのやりとりも。

 また、「100万回死んだねこ」(正解は「100万回生きたねこ」)、「摂氏451度」(*正「華氏451度」)と、1字違いで大変な意味になるタイトルなどを、正解と共にレファレンスのコメントを付けて紹介。

 難解なものになると、「ウサギのできそこないが2匹出てくる絵本」、「独身男性が若い女の子を妻にしようとしていろいろ失敗した話」という情報から正解を導き出したというからアッパレだ。クイズ形式で96タイトルを収録。爆笑必至のため、電車の中で読むときは要注意だ。

(講談社 1320円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か