「検察審査会」デイビッド・T・ジョンソン、平山真理、福来寛著

公開日: 更新日:

「検察審査会」は、世界でも類を見ない日本独自の機関。11人の市民で構成され、プロの検察官が下した不起訴処分を検証し、事件の再捜査及び起訴すべきかを決定する。さらに、検察審査会には、検察の政策や実務を改善するための提案を行うという権限もある。

 刑事司法制度の市民参加のもうひとつの形態である裁判員制度に比べてあまり認知されていないが、刑事司法の重要な「門番」であり、あらゆる種類の犯罪の不起訴処分を審査することができるという点で、裁判員制度より社会的重要性は高いという。

 本書は、戦後の占領下で日本とアメリカの政府関係者の妥協の結果、創設されたというその起源に始まり、制度の手続きや運営の実際、制度の重要性や社会的影響力などを分析した論考。

(岩波書店 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘