「隠し女小春」辻原登著

公開日: 更新日:

 39歳の矢野聡は横浜のギャラリーで買った等身大のラブドール・小春と、マンションで暮らしている。12時を過ぎると、小春に着せたワンピースやランジェリーを脱がせ、愛撫しながら眠りにつく。

 子どもの頃、祖父が歌ってくれた子守歌を歌うと、小春が復唱したが、酔っていた聡は不審に思わなかった。向かいのマンションに住む茜屋恭子は聡の私生活を双眼鏡で見ていた。聡の同僚を利用して聡と面識を得た恭子は、聡への恋心を募らせる。

 ある日、寝物語に聡が「これまで会ったことのないタイプだな」と恭子のことを話すと、「その人、奇麗?」と小春が尋ねた。

 ラブドールと暮らす男が恐ろしいワナに落ちるサスペンス小説。

(文藝春秋 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑