「隠し女小春」辻原登著

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 39歳の矢野聡は横浜のギャラリーで買った等身大のラブドール・小春と、マンションで暮らしている。12時を過ぎると、小春に着せたワンピースやランジェリーを脱がせ、愛撫しながら眠りにつく。

 子どもの頃、祖父が歌ってくれた子守歌を歌うと、小春が復唱したが、酔っていた聡は不審に思わなかった。向かいのマンションに住む茜屋恭子は聡の私生活を双眼鏡で見ていた。聡の同僚を利用して聡と面識を得た恭子は、聡への恋心を募らせる。

 ある日、寝物語に聡が「これまで会ったことのないタイプだな」と恭子のことを話すと、「その人、奇麗?」と小春が尋ねた。

 ラブドールと暮らす男が恐ろしいワナに落ちるサスペンス小説。

(文藝春秋 1760円)

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