「密告の件、Mへ」加茂隆康著

公開日: 更新日:

 弁護士の水戸が大学の講師をしていたときの恩人で、法科大学院教授・平手理沙子が何者かに殺される。

 翌日、刑事が水戸を訪ねてきた。遺品の手帳に貼られた付箋に「密告の件、水戸Lへ」と書かれてあったという。しかし、ここ数年、平手とは親交はなく、水戸には心当たりがない。

 そんな中、マスコミで活躍する人気弁護士のヒロ子が水戸の事務所に助けを求めてくる。ヒロ子はかつて担当した交通訴訟の依頼人から弁護士会に懲戒請求を出され、懲戒処分に付されてしまったという。明らかに冤罪であり、水戸はヒロ子の代理人となって日弁連に異議申し立てにあたる審査請求をする。しかし、当のヒロ子が平手殺しの容疑者として逮捕されてしまう。

 現役弁護士が法曹界の腐敗を描いた迫真のリーガルサスペンス。

(講談社 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態