「そもそも島に進化あり」川上和人著

公開日: 更新日:

「そもそも島に進化あり」川上和人著

「鳥」類学者の著者がなぜか「島」について語る面白科学エッセー。

 南硫黄島には、捕食者となるタカがいないため、本来は夜行性のオオコウモリが昼間から飛び交っている。多種多様なタカがいる本州では、このような特殊行動は発達しづらい。島は、このように複雑な生態系から少数の要素を抽出して構成され、隔離された箱庭だという。

 かつて大陸と陸続きだった歴史がある大陸島と水深の深い海洋プレートの上に生じた海洋島の違いなど、まずは島の基本を解説。

 その上で、大陸の生物相のセットが最初から存在したか、陸伝いに入り込む余地があった大陸島と、海を越える能力を持つごく一部の生物のみが存在を許される海洋島で、生き物たちがどのような進化を遂げてきたかを解き明かしていく。 (新潮社 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動