「大阪」岸政彦、柴崎友香著

公開日: 更新日:

「大阪」岸政彦、柴崎友香著

 進学を機に大阪に移り住んだ岸氏と、故郷の大阪を出て15年が過ぎたがいまだに「東京出張中」の感覚でいるという柴崎氏による往復エッセー。

 岸氏の冒頭の一文は、新婚のころに住んでいた住吉区を久しぶりに散歩した折のエピソードから始まる。路面電車で乗り合わせた高校生たちの姿に、パートナーとの間に子どもはできなかったが、こうやって大阪で生まれて、地元の子として大阪で育っていく自分たちの子どもの姿を夢想してみる。

 柴崎氏の一文は、大阪・大正区の市営団地で2歳のときに見た光景から始まる。工場から流れてくるにおいや病院の診察室など、記憶にある当時の大正区の細部の情景が蘇る。

 2人の個人的な体験から大阪という街に流れる時間や暮らす人々の堆積した人生が立ち上る。

(河出書房新社 924円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大苦戦「うたコン」がテレ東音楽祭と昭和歌謡に寄せて復活のノロシ! 矢沢永吉、井上陽水の名曲も次々と…

  2. 2

    『スマスロ ミリオンゴッド』導入から4カ月、目立つ空き台の裏でファンが期待するホールの対応

  3. 3

    巨人ベテラン坂本勇人の評価が爆上がり! 改めてクローズアップされそうな「打撃・守備以外の魅力」

  4. 4

    萩本欽一〈45〉斉藤清六を全国区にした誰も知らない裏話 “弟子入りNG”から評価を一転させたんです

  5. 5

    阪神・藤川監督「森下&佐藤輝依存」の無策露呈…極端な“外弁慶”で甲子園残り11試合が最大の鬼門に

  1. 6

    《芸能界ってなぜ『在日』を隠すの?》…中村ゆりさんがルーツを胸に「負けん気」を貫いた44年の生涯

  2. 7

    小池都知事肝いり「築地再開発」頓挫の予兆…松平定信の歴史的遺構と建築費高騰のWパンチ

  3. 8

    岸田元首相も“激怒”! 高市首相の内閣改造めぐる“パワハラ”アンケートに自民党内から非難轟々

  4. 9

    高市首相の内閣改造めぐる迷走と誤算…維新の「本命」外し“スネ傷”中司幹事長起用のウラ事情

  5. 10

    林芳正総務相は結局、留任か…高市首相が画策「内閣改造で総裁選ライバル潰し」に“白旗”