著者のコラム一覧
嶺里俊介作家

1964年、東京都生まれ。学習院大学法学部卒。2015年「星宿る虫」で第19回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。著書に「走馬灯症候群」「地棲魚」「地霊都市 東京第24特別区」「昭和怪談」ほか多数。

小泉八雲の「怪談」は刊行から100年経っても楽しめるし怖い

公開日: 更新日:

出版社の特派員で来日 島根県松江で英語教師に

 私事ですが、昨年身体を壊して入退院を繰り返しました。そのリハビリ旅行で10月に松江の小泉八雲記念館と旧宅を訪れた私は、彼が執筆していたという旧宅の書斎で、その姿を偲ぶ機会に恵まれました。

 畳部屋の向こうに庭を望む書斎は、「鍵を掛けなくとも不安がない」という彼の心を代弁するかのように障子が大きく開け放たれ、外からの心地よい風が机の上を渡っていました。

 100年以上前、まさに彼はそこに座っていたのです。

 市内のカラコロ広場には、小泉八雲のモニュメントがあります。

 壁の中へと消えていくような後ろ姿のシュールなものだが、くたびれた帽子と背広、手には愛用のトランクとボストンバッグというその姿は、渥美清の『寅さん』と見紛うくらい馴染みのあるスタイルです。

 彼が日本文化を愛し、日本人から愛される人だったことは間違いありません。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲