「学力喪失」今井むつみ著

公開日: 更新日:

「学力喪失」今井むつみ著

 乳幼児が、母語である言語を習得できるのは、推論の力、知識を学習する力によるという。

 しかし、言語という巨大で抽象的な記号の体系を習得することができた子どもたちが、小学校に入学後、学習内容についていけなくなってしまうのはなぜか。小学校での学びにつまずいた子どもは、中学生になると、いくら学習を続けても自分は分かるようにならない、だから学習しても時間の無駄だと思う「学習性無力感」を抱くようになるという。

 著者は子どもの学力不振の原因を根本から明らかにするテストを共同開発。その解答例を分析しながら子どもたちが本来持っている「学ぶ力」をなぜ十分に発揮することができないのか、その原因と回復への道筋を認知科学の視点から解き明かしていく教育テキスト。

(岩波書店 1276円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは