「わが恩師 石井紘基が見破った官僚国家日本の闇」泉房穂著

公開日: 更新日:

「わが恩師 石井紘基が見破った官僚国家日本の闇」泉房穂著

 前明石市長である著者の政治の師だった衆議院議員・石井紘基氏は、22年前、右翼団体代表を名乗る男に刺されて殺害された。

 かねて国会で特殊法人などの不正を追及し、「国会の爆弾発言男」と呼ばれていた氏は、その日、「国会質問で日本がひっくり返るくらいの重大なことを暴く」ために資料を国会に提出する予定だった。しかし、遺品のカバンから資料は見つからなかったという。

 旧ソ連に留学してその政治体制を研究した氏は、帰国後、民主主義を標榜する日本もソ連同様に、一部の支配層のみが利益を得て大多数の国民は苦しめられている「官僚社会主義国家」だと気づき、日本社会を国民の手に取り戻そうと奮闘。氏の足跡を紹介しながら、「不正追及」「弱者救済」に生涯をかけたその政治哲学に改めて光を当てる。 (集英社 1045円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB“二軍の帝王”砂川リチャードが一軍で打てない根本原因…師匠・山川穂高が喝破

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  5. 5

    小芝風花は来年も「ゴチ」はやるの? ファンからは「来年も笑顔は見たい」と継続希望の声

  1. 6

    公的年金“不公平”議論どうなる?「第3号被保険者」制度の廃止をめぐり賛否が真っ二つ

  2. 7

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    斎藤元彦知事は“無双”から絶体絶命に…公選法違反疑惑で刑事告発した上脇教授と郷原弁護士に聞いた

  5. 10

    「年末ジャンボ宝くじ」(連番10枚)プレゼント