「風俗嬢のその後」坂爪真吾著
「風俗嬢のその後」坂爪真吾著
性風俗で働く女性は加齢とともに需要と収入が減り、いつか必ず「脱がずに生きる」ことを余儀なくされる。しかし、風俗嬢だった事実とそれに伴う記憶や経験は後の人生に長く影を落とすことも少なくない。普通の仕事に移行できず、社会の中で行き場や居場所を失ってしまうこともある。
本書は、元風俗嬢たちへのインタビュー集。
デリヘルで働き、月収100万円を超えることもあった元美容師の佳菜子さんは、がん検診で要検査となったのを機に引退。今はパートナーと暮らしながら、介護の仕事をしている。
ほかにも、学費を稼ぐためピンサロやデリヘルで働き、今はヨーロッパで暮らすレイコさんら13人の女性たちの就労と卒業の経緯を尋ね、女性たちが脱がずに生きる方法を考える。 (筑摩書房 1100円)