「性風俗サバイバル」坂爪真吾著
著者は、2015年から性風俗で働く女性たちのための無料の生活・法律相談窓口を運営。コロナ禍では、「夜の街」が猛烈なバッシングを受け、窓口には収入や住居を失った女性たちから相談が殺到、その数は昨年だけで約3000件に及んだという。夜の世界は「公助からこぼれ落ちた人たちが、自助だけでは生きられない中で、お互いに助け合いながら、時には奪い合い、騙し合いながら築き上げてきた、いびつな共助の世界」だという。
しかし、コロナによって努力(自助)も通じず、助け合い(共助)もできず、公的支援(公助)も失われた「これまで誰も見たことがない景色」が広がった。本書は、寄せられた相談を紹介しながら、新しい助け合いの形を求めて奮闘した日々をつづるドキュメント。
(筑摩書房 902円)