「吉原と日本人のセックス 四〇〇年史」下川耿史、永井義男共著
日本に初めて遊郭が誕生したのは1589年、豊臣秀吉によって京都・島原に開設されたもの。
江戸時代に入ると現在の日本橋に幕府公認の遊郭、元吉原が1618年に開設されることになる。それから約40年後に吉原は現在の地に移るのだが、本書はかねて性風俗を研究してきた2人が対談し、これまでの“吉原本”の多くが資料と実態の間にずれがあることを指摘し、日本の社会史、文化史として正しく位置づけるようにしたのが本書である。
また古代の歌垣、夜這いの風習から始まって、セックスに金品のやりとりが絡み、システム化されるようになった江戸時代を経て、売春という言葉が定着した現代までのいきさつを解き明かしていく。(辰巳出版 1400円+税)