11年目も視聴率好調 「捜査一課9係」どうして強いのか?
春ドラマがボチボチ最終回を迎えている中、テレビマンに注目されているのがテレビ朝日の「警視庁捜査一課9係」だ。フクヤマやマツジュンみたいな派手なキャストではないにもかかわらず、全11話の平均視聴率が12.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。今のところ、総合で3位に付けている。「9係」は今期で11シリーズ目。どうしてそんなに強いのか。
かつて日刊ゲンダイが同番組の松本基弘プロデューサーに同じ質問をぶつけたところ、渡瀬恒彦や羽田美智子、井ノ原快彦ら9係メンバーのチームワークの良さを挙げていた。こんな具合だ。
「スタート当初はまだ予算も使えた時期だったので、あれだけのメンバーが集められたのですが、これを3年も4年も続けるのは無理だと思っていました。だってみなさん忙しいんだから『舞台だ』『映画だ』って次々に決まっていっちゃう。一方の『9係』は必ずしも来年あるとは限らない。なのに、なのにですよ、みなさん『9係』だけは来年もあることを前提に、そこだけはスケジュールを空けといてくれるんです。こんなこと普通ありえませんよ!」
さらに驚くのは、毎シリーズごとに細かな手直しを続けてきたことだ。そもそも「9係」は一話ごとに事件は解決していくが、登場人物はそれぞれにプライベートな事情を抱える連続群像劇として始まっていた。しかし、3年目ぐらいで数字が下がってしまったため、「一話完結の刑事ドラマ」に振り切っており、7年目からはそれまでのホームドラマのような明るい画面から「相棒」のような暗い画面にするなど涙ぐましい努力を続けてきたのである。
当初は単発2時間予定だったドラマが11年目を迎え、いまだに好調を続けているのは、それなりの理由があるということだ。