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のん主演「この世界の片隅に」が再現した“あの日の広島”

「子供向けアニメのような、ほのぼのとした絵柄で描かれる広島の人々の日常が、米軍の攻撃で完膚なきまでに破壊される。その落差たるや実写では簡単に描けぬもので、何日間も重い後味が残る本物の戦争映画です。18歳で嫁いだ主人公少女を、のんが声優初主演で演じているんですが、彼女のほんわかした声質と演技が抜群の効果をあげています」

 舞台挨拶では片渕監督が、彼女から役作りのための質問攻めにあった裏話を披露。能年玲奈時代に出演した「海月姫」以来、2年ぶりとなる主演映画への並々ならぬ意欲を感じさせた。一方、監督も前作から約7年、本作の実現のために何度も広島・呉に足を運び、原作者と共に時代考証を重ねたという。

「製作スタジオの一室には壁一面に膨大な数の関連古書や資料が並び圧巻の一語です。米軍が撮影した当時の航空写真や、焼夷弾の実物までありましたよ。資料はほとんど監督が自腹で揃えたそうで、原作の風景を再現するのに、漫画では曖昧だった考証を徹底的に精査して嘘のない“あの日の広島”を再現した。そこまでして“庶民の日常”をリアルに描くことで、それが破壊される戦争の恐ろしさを伝えようとしたのでしょう」(前出の前田氏)

 あらゆる実写の戦争映画を超える現実感を目指したというのだから本物だ。

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