師匠が「ネタ全部忘れてええ」 桂吉弥さん初稽古の衝撃

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 それまでは学生落語の延長で、古典を勝手に現代風の味付けをして得意がってました。

「ウケたらエエやん」

 そんな感じやね。それを全部捨て一言一句間違えずとなると緊張もしますし、小ネタのギャグもないので最初は全然オモロない。友人が見ても、「いまひとつやなぁ」。

■米朝師匠の付き人にしてくれたのも大変なこと

 でも、ちゃうんですよ。何でもそうや思うんですが、基本の基本ができてこその応用やから。それと、米朝師匠の付き人をさせていただいたのも、今となっては大変なこと。内弟子2年目の96年に人間国宝、朝日賞を受賞し、年末にはNHK紅白歌合戦の審査員。明けて97年には日本放送協会放送文化賞も受賞。

 その一方で、オフにはスッポンに、てっちりを一緒にいただいて、今はなき名門・ホテルプラザの「マルコポーロバー」で小松左京さんとの席にご相伴にあずかる……。内弟子やなかったら経験でけへんことだらけやった。

 師匠は「芸の肥やし」と。そう思うて米朝師匠の元へ出してくれはったんちゃうかなあ。そして僕が晴れて一本立ちして間もない99年に、師匠は胃がんを発症。手術していったん復帰したものの再発しまして、05年11月に鬼籍に入られはったんです。

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