師匠が「ネタ全部忘れてええ」 桂吉弥さん初稽古の衝撃

公開日: 更新日:

 それまでは学生落語の延長で、古典を勝手に現代風の味付けをして得意がってました。

「ウケたらエエやん」

 そんな感じやね。それを全部捨て一言一句間違えずとなると緊張もしますし、小ネタのギャグもないので最初は全然オモロない。友人が見ても、「いまひとつやなぁ」。

■米朝師匠の付き人にしてくれたのも大変なこと

 でも、ちゃうんですよ。何でもそうや思うんですが、基本の基本ができてこその応用やから。それと、米朝師匠の付き人をさせていただいたのも、今となっては大変なこと。内弟子2年目の96年に人間国宝、朝日賞を受賞し、年末にはNHK紅白歌合戦の審査員。明けて97年には日本放送協会放送文化賞も受賞。

 その一方で、オフにはスッポンに、てっちりを一緒にいただいて、今はなき名門・ホテルプラザの「マルコポーロバー」で小松左京さんとの席にご相伴にあずかる……。内弟子やなかったら経験でけへんことだらけやった。

 師匠は「芸の肥やし」と。そう思うて米朝師匠の元へ出してくれはったんちゃうかなあ。そして僕が晴れて一本立ちして間もない99年に、師匠は胃がんを発症。手術していったん復帰したものの再発しまして、05年11月に鬼籍に入られはったんです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった