渡辺大さんにW受賞をもたらした授賞式前の“軽いノリ1枚”

公開日: 更新日:

夫人も同行、初の海外旅行

「今思えば、もう少し受賞した際の英語のスピーチを考えておけばよかったかな。あの時は簡単に喜びとお礼を言うのが精いっぱいでした。もう少し気の利いたコメントをすることができたら……。ただ、受賞できなかった時のことを考えると、練習するのも恥ずかしいじゃないですか(笑い)」

 撮影中の思い出を語ってもらうと……。

 映画は監督が構想を練るのに3年かかった。役者が顔を揃えての撮影は秋と冬に行われ、その間3週間。とくに影響を受けたのは橋爪だ。

「宇介さん役の橋爪さんは役者の大先輩、映画の設定のワインの世界でも大先輩です。こちらはまだまだあがいている若手の役者だし、若手の醸造家ですから、橋爪さんのことはずっと尊敬していたし、一目置く大きな存在でした」

 撮影が終わった後には毎日、監督が差し入れたワインを飲みながらみんなでワインの勉強もしたという。「土壌によって味が変わるのもわかるようになりましたし、どんな特徴が出るのかも勉強しました」と、今ではすっかりワイン通だ。

 スペインには夫人も同行した。この時は2人で初めての海外旅行でもあり、街歩きも楽しんだという。さらに、マドリードからロンドンに飛び、父・謙に受賞の喜びを報告することもできた。謙は拠点をロンドンに移し、主演ミュージカル「王様と私」が16カ月連続でソールドアウトになるなど大成功を収めていた。

「ロンドンにいた父に会って2人で受賞の報告をしました。父は多忙でその時は祝杯を挙げることはできなかったけど、今回がひとつのいい節目になったとか、40歳くらいまでにまたいい作品に出合えたらいいけど、とか話をして。役者は40歳くらいからが楽しくなるとも言っていましたね。僕にとっては忘れられないヨーロッパで過ごした日々になりました」

(取材・文=稲川美穂子)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”