著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

キャラ変幻自在・高橋克典の役の幅を広げる「笑ってもらおう」精神

公開日: 更新日:

「色気」と「強さ」に説得力を持たせるため、ジムトレーニングとボクシングとピラティスを繰り返し、食事制限をしながらストイックに体をつくっていった。視聴者の「金曜の夜のキャバクラ代を浮かす」というテーマを持ち、「一番大切にしていたのは、バカをやって笑ってもらおうという気持ち」(同前)だったという。

 その結果、高橋といえば「只野仁」の風貌を思い出すほどイメージが定着した。前出の「イケメンタル」でも、只野風に黒ずくめの衣装にティアドロップのサングラスをかけ、“くまだまさし方式”でグラサンをズラすなど、イメージを逆手に取った手法で笑わせていた。

 一方で「しばらくの間は何を演じていても只野仁に見えてしまい、ヒューマンドラマの話が来なく」なってしまった(同前)と嘆いていたが、その後も「金太郎」でもなく「只野」でもない、「すべての角が取れた河原の石ころみたいな高橋克典がいた」(NHKアーカイブス「NHK人×物×録」)との感想を寄せられたという17年の「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」(NHK)をはじめ、順調に役柄の幅を広げ続けている。

 それはその端正な顔立ちにあぐらをかかず、「イケメンタル」挑戦に象徴されるように「バカをやって笑ってもらおう」という“何でもアリ”な精神があるからこそなし得たものだろう。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」