著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<14>「姫」の元No.1ホステス大門節江の回想する嫉妬深さ

公開日: 更新日:

 これは筆者の想像だが、ボーイとして赤坂のクラブで働き始めたジョニーについても、快く思っていなかったのではないか。「日本のドラマー、屈指の美形。イケメン。トップと言っていい」(音楽評論家のスージー鈴木)というくらいだから、新人従業員のジョニーにクラブに在籍するホステスが色めき立っても不思議はない。

「そんなこんなで(矢住代は)トラブルも多くてママも大変そうだった。『姫』は若い子が多かったけど、特に彼女は若かったし、敵も多かったかな。私が覚えてるのはそれくらい」(大門節江)

 高田馬場のスナック勤務もこのあたりの事情にあるのかもしれない。ジョニーのクラブ勤務の給料5万円ではやりくりできず、かといって、妊娠8カ月の大きなお腹で銀座に現れるわけにもいかず、そうでなくても常連客や他のホステスの手前みっともない。そこで、人知れず高田馬場のスナックに落ち着いたということではないか。おそらく、予定日の2月下旬までは働くつもりだったのだろう。

 しかし、運命は必ずしも計画通りにほほ笑んでくれない。師走の12月22日の夕方、突然の激痛が矢住代を襲った。陣痛が始まったのである。(つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景