著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

仲野太賀のNHK大河「豊臣兄弟!」主演が示す「2世俳優=親の七光り」時代の終焉

公開日: 更新日:

 仲野の父は俳優の中野英雄。暴走族から俳優になり、顔の怖さから悪役として活躍してきた。

 仲野は2世俳優だが、「親の七光」を前面に押し出すどころか、以前の芸名は“太賀”と七光とは無縁だった。途中から「役者仲間を大切にしたい」という意味を込め“仲間”から“仲野”とした。自ら築いた人脈で監督や俳優仲間からの信頼も厚い。最初から親を頼る様子は仲野にはなかった。歌手の宇多田ヒカルがヒット曲を出してから母親の藤圭子が騒がれたように、仲野も親の名前は後出し。こわもての父親がホームドラマでも活躍するようになってから、世間でも「太賀の父親」と認識された。むしろ、「子の七光」で父親への関心が高まった。もしも、父親が主役を張るスター俳優だったら、本人の意思に関係なくデビュー時から「中野の息子」と宣伝に使っていたはずで、俳優人生も変わっていたかもしれない。悪役の多い父親の話題はほとんど出なかったことも仲野に幸いした。

 親交のあった東映ピラニア軍団のひとり、志賀勝も父親は悪役だった。仲野を見ていると、志賀の生前のこんな話を思い出す。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋