女優・中島唱子さんはNYマンハッタン暮らし。日米を往復し映画の字幕翻訳家としてもデビューした
うれしいけど困る?「ふぞろいの林檎たち」で共演した柳沢慎吾さんからの長電話
多才な中島さん、多忙なようだが、女優としての予定は?
「来年1月から明治座で上演される『氷川きよし特別公演』で、舞台に立ちます。だから、来年も半分以上日本にいます。これからもチャンスをいただければ女優を続けますよ。ただ、撮影中だった時代劇がコロナで中止になったとき、それまで何とか俳優として残りたい、私には俳優しかない、と思ってがんばってきたけれど、『表現って演じることだけじゃない、違うことを通して自分を表現できるんだ』という妙な確信が生まれ、心が自由になれた気がします」
米国ではNYマンハッタンに1910年建築のビクトリアン様式のアパートを所有し、夫と2人暮らしだ。
「私たちにとって、日米を往復する今の生活が、一番バランスがいい。体力が続く限り、この生活を続けたいですね」
さて、中島さんは高校在学中の83年、「ふぞろいの林檎たち」でデビュー。ドラマのヒットとともに中島さんにも注目が集まり、「スチュワーデス物語」(TBS系)や「渡る世間は鬼ばかり」など人気作に出演してきた。
「『ふぞろい──』で相手役だった柳沢(慎吾)先生のファンだったので、撮影中は夢のようでした。今も交流がありますよ。日本にいると長電話がかかってきて、それは、とても楽しくてうれしいことなんですが、主人からの国際電話を受けられず怒られます。だけど、10代から知っている柳沢先生といまもご縁がつながっているのは奇跡だと思うんです。だから、長電話もこちらからは切れない。幸せな板挟みです(笑)」
(取材・文=中野裕子)
▽中島唱子(なかじま・しょうこ)1966年5月7日葛飾区柴又生まれ。八王子高校在学中から演劇学校に通い、83年「ふぞろいの林檎たち」のオーディションに合格しデビュー。一躍、注目された。00年から人気シリーズ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)のレギュラーに。