全く売れなかった永野が「ラッセンネタ」でブレークするまで芸人を辞めなかったワケ

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 オットーを乗せた車が、UFOのごとく発光し夜のビル群の上空を飛び回る。永野は、この衝撃的なフィナーレに「スポーツとか恋とか夢とかの逃げ場がない人は、UFOで飛んでいくしかないんだろうな」と口を開きこう続けた。

「自分も芸人として何十年も……ビックリされるんですよ、『なんで(芸人を)辞めなかったんですか?』と。それ現実逃避なんですよ。辞めたら待ってるんで、(落ちこぼれの)オットーみたいな生活が。宮崎帰ったら。もうそれしかないんですよ」

 2015年、芸歴20年超にして「ラッセンネタ」でブレークした永野。その後バラエティー露出は減少したが、斎藤工主演の映画「MANRIKI」で原作・脚本を担当し、トークライブや配信番組などに出演する中で、“本来の永野”の面白さはコアなファンから支持され続けた。

 コロナ禍の2020年6月に「永野CHANNEL」を開設。当初、再生回数は伸び悩んだが、アメリカのミクスチャー・バンド「リンプ・ビズキット」を紹介すると数字が跳ね上がった。以降、音楽や映画にまつわる語りだけでなく、特異なコメントや振る舞いでも脚光を浴び、配信メディアを席巻。永野自ら「配信王」と名乗り、再びテレビで活躍するようになった。

「まだ疑ってるんすよ、僕アレックス・コックスの才能を」などと笑って語る姿は、店のメニューに不満を漏らしつつ連日足を運ぶ常連客のようで実に人間臭い。紆余曲折を経た永野ゆえに、物事の“ほつれ”に独特のユーモアを示せるのではないか。

(鈴木旭/お笑い研究家)

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