中森明菜の『難破船』はなぜレコード大賞を逃したのか? マッチが席巻した1987年が権威失墜の始まり
■「愚か者」はオリコン年間売上で歴代レコード大賞と比べて低かった
では、87年の『愚か者』はどうだったのか。
「『ザ・ベストテン』では年間10位であり、大賞受賞にそこまでの違和感はない。ただ、同番組のハガキ投票はジャニーズ事務所のアイドルに有利でした。ファンが大量に送るため、総合順位でベストテン圏外になっている週も、ハガキ部門で1位になることがあったほど。オリコン年間売上で『愚か者』は35位でしたから、歴代のレコード大賞と比べると、かなり低いです」
選考過程が不透明な音楽祭に対し、『日本有線大賞』『全日本有線放送大賞』は基本的にリクエスト回数で賞を決めていた。この2つの大賞(グランプリ)は、瀬川瑛子『命くれない』だった。『日本有線大賞』で『愚か者』は有線音楽賞入賞を果たしているものの、中森明菜は最多リクエスト歌手賞を受賞している。
「87年のオリコン年間シングル売上の1位は瀬川瑛子『命くれない』、2位は中森明菜『TANGO NOIR』です。『難破船』は9月30日発売ながら6位に入っています。ですから、明菜の『3年連続レコード大賞を取るはずだった』は納得感があります。逆に、『愚か者』が明菜や瀬川に勝てる要素は見当たりません」(音楽関係者=以下同)


















