【最終回】「答え」がすぐ示される最新の練習法に異議もある 指導者として新たな「生きる道」を突き進みます
中日の一軍打撃コーチを務めることになり、今の野球の中で自分がどれほど通用するのか、と思うこともある。
野球の世界も今の社会と同じ。アスリートだからって気合や根性だけで何とかなる時代じゃなくなった。
正直言えば、俺は気合や根性が大好き。だから見ていて「ぬるいな」と感じることもある。同世代の監督やコーチたちと話すと、「物足りん」と口を揃える。でも、気合や根性を押し付ければ、置いていかれるのは俺たちオジサン連中。こちらが時代に応じた接し方を学んでいかなきゃいけない。
特に最近はAIの発展もあってデータ分析が主流。理にかなった効率的な練習ができる一方で、すぐに結果を求めたがる選手が増えたように思う。
今ほどデータが手に入らなかった時代は、コツコツやっては失敗、ちょっとできるようになってまた失敗……。それを繰り返しながら試行錯誤して答えを導き出してきた。
でも、今は即効性が最優先。科学的な裏付けがあるとされる「答え」がすぐに示されるせいで、もしそれで結果が出なかった場合や調子が落ちた場合、そこから這い上がれない選手が多い。立ち直る強さがなくなっている気がする。
さらに、コーチの担当分野が細分化され、練習の質が上がり、技術も上達しやすくなったと思う。確かに悪いことではないけど、それに頼りすぎると自分で考える力が衰えていく。できなくなった時に選手としての「終わり」が早まってしまうんじゃないか。
提供してもらった情報をもとに、自分で考えてやるかやらないか。そこで差が出ると思う。そんなことも選手に伝えていきたい。
昨年7月から始まり、1年以上続いたこの連載も、今回でついに最終回を迎える。始まってしばらくすると、「連載、読んでいるよ」と声をかけられるようになった。特に、球界関係者の人たちは楽しみにしてくれていたようで、掲載されたエピソードに対して「そういえば、あの時はこうだったよなあ」と懐かしんでくれた。
中日でいえば、俺が1986年のドラフトで指名された頃に若手の記者だった人たちが
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