この春承認 “糖尿病新薬”はどのくらい画期的なのか!?

公開日: 更新日:

 高血糖は、毒となって血管を傷める。それを阻止するために、糖を再吸収せず、尿中に排出しようと体は働く。健康診断などで「尿糖が出ている」と言われるのは、この状態を指す。なお、空腹で尿糖が出たら放置できない大変な高血糖である。

「高血糖だと尿糖が出るので、これまで尿糖は糖尿病の悪化を示す指標のひとつでした。しかし、今回の新薬はこの発想を違う面から捉えて開発されたものです。普通は血糖が160~180mg/dlを超えると尿糖が出るようになりますが、血糖がもっと低いうちから薬で再吸収を抑え、尿糖として捨ててしまおうという新発想の薬なのです」

 腎臓には、糖を再吸収する輸送体としてSGLT1とSGLT2がある。輸送体は、必要に応じて開く穴のようなものと考えると分かりやすい。このうち、主に働いているのがSGLT2。新薬は、SGLT2の働きを阻害することで、糖の再吸収を防ぎ、そのまま尿として出すようにするわけだ。

 過去には実験用の薬でSGLTの1と2の両方を阻害するものもあった。しかし、SGLT1を阻害すると、小腸での糖の吸収に作用して、消化管障害が起こるリスクが高くなることが分かったので、新薬ではSGLT2だけに作用するようになっている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景