痛くも恥ずかしくもない! カプセルで大腸がんチェック

公開日: 更新日:

「後押しの下剤を飲まないと、大腸カプセル内視鏡のバッテリー切れになり、大腸をくまなく調べられません」

 それでも、大腸カプセル内視鏡をいち早く臨床に取り入れた海外より、下剤の量は非常に少ない。海外では検査前日と当日の2日間絶食で、合計6リットルの下剤を飲む。最近は、日本の3.8リットルの下剤を見習い、少なくする傾向にあるという。

 大腸カプセル内視鏡できちんと理解しなくてはならない点がもうひとつある。
「ポリープの有無は調べられますが、切除はできません。もし、治療が必要と思われるポリープが見つかったら、必ず大腸内視鏡を受けなくてはなりません」

 残念ながら健康保険の対象になるのは、「大腸内視鏡を受けたけど、内視鏡が大腸の奥まで入らなかった人」。現段階では、「大腸内視鏡をやる前に大腸カプセル内視鏡」という人は自費になる(10万~11万円程度)。国立がん研究センター中央病院内視鏡科では、大腸カプセル内視鏡を無料で受けられる臨床研究を開始していた。


 大腸がん検診とは別に、大腸カプセル内視鏡の新たな役割として、潰瘍性大腸炎の患者の炎症の評価の手段としての研究もほかの医療機関で進められている。目が離せない検査法であることは確かだ。

 ちなみに、腸に狭窄(きようさく)がある人にはこの検査は向いていない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」