糖尿病壊疽の足切断を回避 「メカノセラピー」って何だ?

公開日: 更新日:

 宇宙飛行士の若田光一さんが188日ぶりに地球に帰還。無重力の世界で過ごしていたため、骨密度や筋力は20歳も年を取った状態だという。

「体には重力や気圧などさまざまな物理的刺激がかかっています。それがあるから、細胞は正常な機能を維持できるのです」

 こう話すのは、日本医科大学付属病院形成外科・美容外科の小川令准教授だ。この「細胞は物理的刺激の影響を受けて機能を維持している」という考え方がメカノバイオロジーで、「メカノセラピー」として医療に応用され、注目を集めている。小川准教授に聞いた。

 メカノセラピーの応用は多岐にわたっている。そのひとつが、糖尿病の足の壊疽(えそ)に対する治療だ。

「傷ができると、細胞は自然の物理的刺激に反応して皮膚を再生していきます。ところが糖尿病では、皮膚の細胞が物理的刺激に鈍感になることが分かってきました。皮膚が再生されずに足が壊疽し、進行を抑えるために切断するのが従来の治療。そこで自然の物理的刺激以上の刺激を与え、鈍感な皮膚の細胞が正常に働くように促すのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性