糖尿病壊疽の足切断を回避 「メカノセラピー」って何だ?

公開日: 更新日:

 具体的には、壊疽した傷口にスポンジを詰め込んでフィルムで密閉し、専用器具で吸引する。

「人工的な物理的刺激を細胞が感じて増殖し、血管が新生され、皮膚の線維ができる。切断しかなかった患者さんの傷が、数週間できれいにふさがる場合があります。陰圧閉鎖療法と呼んでいます」

■ケガの傷跡も残らない

 一方、細胞が物理的刺激に対して敏感になり過ぎている場合もある。肥厚性瘢痕(はんこん)やケロイドだ。

「外傷や手術でできた傷痕の再生がちょうどよいところで終わらず、線維が過剰に産生され、皮膚が赤く盛り上がり、みみず腫れのようになります。特にケロイドは肥厚性瘢痕とはっきり区別することは困難ですが、傷を越えて正常範囲まで病変が広がり、痛みやかゆみを伴う。理由が分からず、治療効果もこれまで期待できませんでした」

 この肥厚性瘢痕やケロイドにもメカノセラピーが応用されている。

「強い物理的刺激を与える糖尿病の陰圧閉鎖療法と異なり、傷にかかる物理的刺激を分散し、過剰にかかる力を逃がします」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  3. 3

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が“本塁打王を捨てた”本当の理由...トップに2本差でも欠場のまさか

  4. 9

    “条件”以上にFA選手の心を動かす日本ハムの「圧倒的プレゼン力」 福谷浩司を獲得で3年連続FA補強成功

  5. 10

    吉沢亮は業界人の評判はいいが…足りないものは何か?