怒鳴ったらダメ 認知症の親との距離感、つき合い方

公開日: 更新日:

■幸せな認知症介護

 新井平伊教授の外来には、認知症の患者さんの診察に臨床心理士も同席する。臨床心理士の戸田愛子氏に、認知症の患者さんと家族が上手に寄り添いながら生きている印象的なエピソードを聞いた――。

 認知症の中期の段階で、近所の植木を蹴飛ばしたり荒らしたりする患者さんがいらっしゃいました。
 当時子供たちは20歳前後。奥さんは反抗期だった子供たちに「お父さんは悪くない」と繰り返し諭し、仕事と介護と子育てで大変な苦労をされていたにもかかわらず、認知症の家族会で知り合ったご家族を自宅に招いて慰めるなどしていました。

 重度に進行してからは、暴れるなどの行為は治まりました。奥さんはショートステイやデイサービス、リハビリなどを活用しながら在宅介護を続け、一方で仕事を辞め、結婚前の趣味を生かした活動をされています。独立し結婚した子供たちは、孫を連れて頻繁に実家を訪れ、介護を手伝っています。

 認知症の患者さんの介護は、初期や中期など段階において問題が変わります。ひとりで抱え込まずに、社会や地域支援を活用することによって、ポジティブな連鎖が生まれると思っています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?