傾斜0.6度でめまいや頭痛…“傾き住宅”に潜む「病気リスク」

公開日: 更新日:

■真っすぐ泳げなくなることも

 慶応大学理工学部システムデザイン工学科の小檜山雅之准教授は、11年8月に東日本大震災で液状化被害を受けた千葉市美浜区の住民の健康障害に関する調査を実施。傾いた住宅で暮らす人々から、数々の体調不良の訴えがあったという。

「もちろん個人差はありますが、おおむね0・7度の傾きで、健康被害を訴える住民が増えました。われわれは、床や建物が真っすぐであることを前提に生活しています。しかし床や建物が傾いていると、視覚から入る情報と、耳の中の器官や体が感じる重力の方向にズレが生じ、違和感を覚えます。そうした環境で長時間生活していると、平衡感覚の障害や体の調子を整えている自律神経の失調が起こり、健康障害が表れると考えられているのです」

 また、視覚の情報により頭を床と垂直に保とうとする方向と、体を真っすぐに支えようと踏ん張る方向が、傾きによってズレてしまうと、本来なら使わなくてもいい筋肉を常に緊張させることになる。それが血行不良につながり、頭痛肩こりを起こす原因にもなる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    巨人の“お家芸”今オフの「場当たり的補強」はフロント主導…来季もダメなら編成幹部の首が飛ぶ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 5

    国民・玉木雄一郎代表の“不倫相手”元グラドルがSNS凍結? 観光大使を委嘱する行政担当者が「現在地」を答えた

  1. 6

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  2. 7

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

  3. 8

    米倉涼子に降りかかった2度目の薬物疑惑…元交際相手逮捕も“尿検査シロ”で女優転身に成功した過去

  4. 9

    国民民主から維新に乗り換えた高市自民が「政治の安定」を掲げて「数合わせヤドカリ連立」を急ぐワケ

  5. 10

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで