インフル大流行で期待外れ露呈 「4価ワクチン」は効かない
「先生、今年のインフルエンザワクチンは値段が5割増しになったぶん、効くというからお願いしたのにインフルエンザにかかっちゃったじゃないですか!」
受験生を持つ母親の金切り声が診察室に響き渡る。インフルエンザの流行期を迎え、複数の医療機関で患者からこんな“クレーム”が上がっているという。
■費用は5割増しだが…
「ワクチンを打ったのにインフルエンザにかかり、症状も打たなかったときと変わりない。期待外れだった。そういう声は例年になく多いです」
こう苦笑するのは「北品川藤クリニック」(東京・品川区)の石原藤樹院長だ。「インフルエンザワクチンを注射すると絶対にインフルエンザにならない」というのは世間の大きな誤解だ。しかし、患者数も減らず、症状も軽くならないとしたら、期待外れと言われても仕方がない。とくに今シーズンのインフルエンザワクチンは日本初の「4価ワクチン」が使用され、これまでよりも“効く”と期待されていたからだ。
「『価』というのは、ワクチンを使うことで何種類のウイルスや細菌に対して免疫を獲得できるかを示す言葉です。これまで日本ではA型2種類、B型1種類の『3価ワクチン』しか認められていませんでしたが、今シーズンからA型2種類、B型2種類の『4価ワクチン』が認められました。ワクチンを打つと、免疫を獲得する種類のウイルスや細菌が1つ増えるのですから、期待されたのは当然です」(都内の内科医)