「免疫療法」で根治可能に アレルギー性鼻炎の最新治療

公開日: 更新日:

 皮下と舌下、どちらがベターか気になるところ。注射による痛みや定期的な通院などの負担を考えると、長期間にわたる治療だけに、舌下の方に軍配が上がるか。

「重い副作用は舌下の方がずっと少ないとされています。皮下はアナフィラキシーショックが100万回の注射で1回起こるとされ、舌下では、海外のデータで1億回の投与で1回程度とされています」

 アナフィラキシーショックは、全身に起こるアレルギー症状で血圧低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては死に至る重篤な症状だ。皮下免疫療法ではだいたい3年で50回程度の注射になるので、「100万回に1回」の副作用は高い確率ではない。しかし、用心するに越したことはないだろう。

 ただし、ダニアレルギーは鼻炎とぜんそくの両方の原因になるが、鼻炎は皮下、舌下のどちらも保険適用になっているのに対し、ぜんそくは皮下だけだ。

 今回のアレルゲン免疫療法はダニアレルギーに特化して有効なので、ほかのアレルゲンにも反応する人は症状が100%消えるわけではない。ただ、たとえばダニアレルギーの通年性と、スギ花粉の季節性の2つのアレルギー症状に悩んでいる人は、相乗効果で症状が一層つらくなるので、今回のアレルゲン免疫療法によって症状が緩和されるかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態