「いつもの薬をいつもの量…」に警鐘 長期処方の危険性

公開日: 更新日:

40代薬剤師

 不景気のせいか、1カ月分を超える薬を出す「長期処方」が増えています。糖尿病の薬や睡眠薬、高血圧の薬など、99日処方をして平気な顔をしている医師がいます。怖いな、と思います。

 ご存じの方もおられるでしょうが、薬の必要量は夏と冬では違います。

 例えば血圧は一般的に冬に上がり、夏は下がります。そのため、夏は薬を少なめに、冬は多めに調整します。もちろん、その間に患者さんの食事の内容や量、体重や精神状態などが変わると血圧は変化します。当然、医師は細かく血圧をチェックして、その結果に応じて薬の種類や量を変化させなければなりません。

 ところが、長期処方の患者さんは、「いつもの薬をいつもの量だけ出されている」ケースがほとんど。恐らく、長期処方を出す医師は、患者さんの体重の増減、食事、季節の変化などを何も見ずに、病院で測った血圧の結果だけで「ああ、変化ありませんね。ではいつものお薬を出しましょう」などと言っているのだろうと思います。

 また、先輩医師から受け継いだ患者に対しては「先輩の処方を変えるのは失礼だ」と考えて、薬の種類も量もまったく変えない若手医師も多い。これでは、薬が効きすぎてしまいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも