「粗食がいい」は誤解 がんは賢く食べて抑える時代へ

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「がんになると、がんやがんに影響を受けた免疫細胞などから、さまざまな炎症性サイトカインが嵐(ストーム)のように分泌され、代謝異常が起こることが分かってきました。これが悪液質の引き金です」

 サイトカインとは、さまざまな細胞に働きかけてその働きを変えるホルモンに似た物質を言う。例えば、「インターロイキン6」は体内のタンパク質をアミノ酸などに分解する酵素のスイッチをオンにすることで、筋肉が急速に萎縮していく。

「ほかにも、副甲状腺ホルモンやLIFと呼ばれる炎症性サイトカインが悪液質の原因となることもあります。最近はサイトカインシグナルが脳に伝わることで脳が体に指令を行う、つまり、がん悪液質は脳の関与が濃厚といわれています」

 膵がんや胃がん、卵巣がんなどは悪液質になりやすいが、乳がんなどはそうでもないという。治療はどうなっているのか?

「①食欲維持②サイトカインストームの是正③筋肉の維持、が基本です。私たちが研究しているのは①で、LIF高値によって起こっているがん悪液質は、モデルラットでは六君子湯と呼ばれる漢方が有効であることを見いだしました。海外では食欲を増進させる薬剤として、マリフアナやサリドマイドを用いた研究も行われています。最近は食欲亢進ホルモンであるグレリンと同じ働きをする新薬開発も注目です」

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