著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

りりィさんのケース 肺がんの放射線治療は通院で治療

公開日: 更新日:

 肺がんは年間約6万5000人の命を奪い、死因は男性が1位、女性が2位。ステージ1の5年生存率は約83%ですが、全体だと約44%。早期発見の啓発が進む今でも、末期で見つかるケースが多く、全体の5年生存率が低くなっていることがわかるでしょう。

 治りやすいといわれる胃がん大腸がんのデータと比較すると、その差は歴然。胃がんと大腸がんのステージ1は各約97%、約99%、全体だと各約73%、約76%です。

■喫煙とは関係ないタイプが増えている

 肺がんの死亡者数は80年代まで右肩上がりでしたが、90年代後半から男女ともほぼ横ばい。禁煙が進んだためです。それでも肺がんと診断されてからの経過がよくないのは、たばこと関係ないタイプの肺がん・肺腺がんが増えているのです。男性は4割、女性は7割が肺腺がんとされます。しかも、進行が速く、転移した状態で見つかる方も少なくありません。りりィさんは、肺腺がんだった可能性もあります。

 りりィさんは、保険が利かない自費治療を選択されたようですが、保険が利く放射線は費用が安く、仕事帰りに通院で治療を受けられる病院も。サラリーマンががんにかかると、3人に1人が離職。平均年収は395万円から167万円に低下するという調査もあります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  5. 5

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  1. 6

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  2. 7

    高市首相が狙う悪夢の“強権官邸”復活…安倍時代の再来へ「経産-警察ライン」で恐怖政治

  3. 8

    最終盤の宮城県知事選は仰天の展開! 高市首相応援の現職vs昭恵さん&参政党支援の元自民議員でデッドヒート

  4. 9

    小川晶市長「ラブホ密会」の震源地…群馬・前橋市のナイトスポットで“まさかの声”続出

  5. 10

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル