亡くなる人の食事 老衰死の人は1週間前に食べなくなる

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 介護施設などによっては、食べなくなる直前まで、普通食以外にミキサーで食べ物を砕いて食べやすくしたミキサー食を用意したり、ソフトクリームをなめさせるなど“食べ方”の工夫をしている。

「それも重要ですが、楽しく食べさせることも大切です。ひとりで食事をする孤食が一番いけない。食事を楽しくすることが一番の(健康)長寿の秘訣であり、生きる力になります」

 では、老衰に向かう人への食事はどう考えればいいのだろうか?

「残念ながら死に向かう人に対する栄養学というものは確立しておらず、食べなくなってからどうするか確立された方法はありません。そもそも高齢者に対する医学データはいい加減で、90歳以上の高齢者の必要摂取カロリーすら、わかっていません。従来の栄養学は健康な人を対象にしています。そこから外れた人のデータはありません。長生きしている高齢者は、その集団の中では『異常な人』であり、そのデータは存在しないのです」

 一方で、医学は「病人」=「異常な状態」を相手にしているのであって、「高齢で死ぬ」=「正常な状態」は研究の想定外なのだという。

「結局、長生きしている高齢者は、長寿遺伝子を持っている人であり、いまある標準化されたデータは役に立ちません。その意味で、亡くなる人の役に立つデータというのはこれからなのです」

【連載】「多死社会」時代に死を学ぶ

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