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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

雛形あきこさんは除菌成功のピロリ菌 胃がんとの関連は

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 塩分の多い食事や喫煙も胃がんのリスクといわれます。この2つも同様で、それぞれ単独より、ピロリ菌感染と重なる方がリスクが高い。「ピロリ菌感染+喫煙」の人は、「ピロリ菌感染ナシ+非喫煙」の人に比べて11倍も胃がんになりやすいのです。

 ピロリ菌感染は胃がん発生のベースで、胃がんの人は感染率が95%なのです。ただし、感染者が実際に胃がんを発症するのは1%以下。それでも、感染していなければ、ほとんど胃がんにならないため、除菌治療が重要視されるのです。

 ピロリ菌は、衛生状態がよくない水や食べ物から感染して、胃の粘膜にすみつきます。上下水道が整備され、井戸水を飲まなくなったことや、冷蔵庫の普及で食べ物の保存状態がよくなり、ピロリ菌の感染率が低下しました。若い人ほど感染率が低いのはそのため。

 日本より30年早く冷蔵庫が普及した米国で、胃がんの患者数は白血病やすい臓がんより少ない。日本も胃がんの患者数は低下傾向で、さらに除菌が普及すれば、胃がんは“過去のがん”になるでしょう。

 ピロリ菌がいなければほとんど胃がんにならないと書きました。そのひとつに、難治性といわれるスキルス胃がんがあります。高齢者の場合は、除菌に成功しても、過去に感染した“履歴”が消えるわけではありません。ですから、除菌後も禁煙や減塩を心がけ、胃がん検診も大切です。

【連載】Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

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