注目集まる「亜鉛」がこれからの肝硬変治療を変えるのか

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 さらに、高齢そのものが亜鉛欠乏を招き、やはり肝機能を低下させる。肝硬変に高齢が重なると、肝機能低下の度合いは加速度的に増すと容易に考えられる。

 つまり、肝機能低下と亜鉛欠乏は密接な関係にあり、肝機能低下を抑制するには、亜鉛が不可欠なのだ。ところが、亜鉛の必要性は認識されているものの、その根拠を示す研究のエビデンスレベルが低く、これまで亜鉛を用いた治療は推奨されてこなかった。

「そこで、エビデンスレベルの高い根拠を作成するために、臨床試験を行ったのです」

 高アンモニア血症、低亜鉛血症がある肝硬変患者18人を対象に、「亜鉛投与群」と「プラセボ(偽薬)投与群」に分け、3カ月間調べた。すると、亜鉛投与群では亜鉛の血中濃度は上がり、アンモニアの値は30%低下した。

 また、年単位で「長期投与群」と「そうでない人」を比較すると、血中亜鉛濃度80μg/dl以上を維持した例では、肝臓がんの発症が有意に少なく、亜鉛濃度が低ければがんの再発が多かった。さらに肝臓の線維化に対しても、動物実験だが亜鉛投与によって抑制された。

「これらの結果から、低亜鉛血症のある肝硬変は亜鉛補充療法を考慮すべきだと考えられます」

 主治医に相談を。

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