注目集まる「亜鉛」がこれからの肝硬変治療を変えるのか

公開日: 更新日:

 低亜鉛血症の国内初の薬が登場し、「亜鉛」に注目が集まっている。それによって今後、治療が大きく変わるかもしれないのが肝疾患だ。

「亜鉛不足と味覚異常を関連付ける人は多いが、それは亜鉛不足の弊害の氷山の一角。亜鉛はタンパク質の維持、酵素の活性など体内でさまざまな重要な役割を担っています」

 こう指摘するのは、大阪国際がんセンター副院長・臨床研究センター長の片山和宏医師。特に注目するのは、肝疾患との関係だ。

 肝疾患は、肝臓に炎症が起こる「慢性肝炎」から、線維化が進行した「肝硬変」に移行。タンパク・エネルギー代謝異常が起こって肝機能低下(肝不全)による諸症状が表れ、重症化すれば死に至る。

「非常に問題なのが、タンパク代謝の異常です。アルブミン値が指標になるのですが、3・5g/dlを下回ると生命予後が著しく悪くなるのです」

 各臓器では生きていく上で欠かせないホルモンなどを合成しているが、その合成に必要な材料を供給しているのが肝臓だ。このうち肝臓のタンパク代謝は、タンパク質合成に関わる働きのこと。そしてタンパク代謝で重要な役割を果たすのが、亜鉛だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」