大腸がん、食道がん…抗菌剤の3剤併用療法で予防できるか

公開日: 更新日:

 胃がん、子宮頚がん、肝臓がん……。細菌やウイルス感染をキッカケに発症したり重症化するがんの存在がわかってきた。そんななか、熊本大学の研究チームが世界で初めて、ある歯周病菌が大腸がんと同じように食道がんの発症・悪化に影響することを明らかにした。この歯周病菌は安倍首相が患っている潰瘍性大腸炎の原因菌の仲間で、すでに3種類の抗菌薬を使った治療法が確立されている。ならば、これを応用すれば、大腸がんや食道がんは予防できるのか?

■将来、抗菌剤でがん予防の可能性

「いまや消化器がんの発生や進行に細菌や細菌叢が関与していることは間違いありません。いまはその段階ではありませんが、この先、研究が進めば抗菌剤で一部の消化器がんを予防できる可能性が出てくるかもしれません」

 こう言うのは熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科分野の馬場秀夫教授だ。

 すでに胃がんはピロリ菌除菌により予防できることがわかっている。ピロリ菌に詳しい都内の消化器病専門医が言う。

「ピロリ菌に感染していない人は胃がんになりにくいことが知られています。ピロリ菌はアンモニアのバリアーで強烈な胃酸から身を守りながら、胃の細胞の表面にとりついてタンパク質を装った毒素を注入。胃の細胞の増殖を制御する分子にくっついて細胞増殖を起こします」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い