人工骨はもう必要なしに? 「歯科インプラント」最新事情

公開日: 更新日:

「患者さんは、左上の奥歯にインプラントを入れようとして、2センチ近い骨の造成を行っていました。ところが、そこが感染して骨造成部分がボロボロになり、後鼻から喉の方に膿が流れ出ている状態になっていたのです」

 それを解決したのが、細胞外マトリックス(ECM)理論に基づく自家骨再生療法だという。

「カラダの中の細胞は、細胞外マトリックスと呼ばれる骨組みの中にはまり込むように存在しています。例えば骨は、カルシウムを中心にした硬いマトリックスに骨を作る細胞がはまり込んでいます。このマトリックスは骨を作る細胞たちが作り出したものです。骨を再生したければ、骨を作り出す細胞が自分のすみかであるマトリックスを作り出せる空間を与え、そこに骨以外の組織が入り込まないようにすれば、自然に骨が再生するのです」

 それには、わざわざ異物である人工骨を使う必要はないのだという。

「具体的には骨を再生したい部分を専用のシートで覆い、必要ならコラーゲンや患者さん自身の血液由来のフィブリンをその中に入れておけば、より早く再生します」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々