著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

パーキンソン病治療中の人 パインやアボカドの食べ過ぎNG

公開日: 更新日:

 前回も取り上げましたが、パーキンソン病治療薬と食事の関係について少し詳しくお話しします。

 パーキンソン病は、ドーパミンという脳内の神経伝達物質が減ることによって、安静時振戦や姿勢保持障害といった特徴的な症状を示す病気です。加齢以外の危険因子はまだあまり分かっておらず、治療の中心は薬によるドーパミンの補充になります。「レボドパ製剤」という薬が、脳内でドーパミンに変化することで効果を発揮します。

 ただ、食品の中にはレボドパの効果を強めてしまうものや、逆に弱めてしまうものがあります。

 レボドパを多く含む食品として、ソラマメ、パイナップル、八升豆(ムクナ豆)などが知られています。投薬治療中にこれらの食品を取りすぎると、レボドパの効果が強くなり過ぎてしまうので注意が必要です。

 逆に、レボドパの分解を促進する成分として知られているのが「ビタミンB6」(ピリドキシン)です。脱炭酸酵素というレボドパを分解する酵素の働きを活性化するため、レボドパが減少して効果が弱まってしまいます。

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