卵巣と子宮を摘出…やなせななさん手術決意に医師の信念

公開日: 更新日:

 手術の前夜、高層階の病室から街の明かりを見ながら、「子宮と卵巣がなくなるってどうなんだろう……」とずっとずっと考えて、「こんな種類の悲しみはこれまで考えたことないな」としみじみ落ち込みました。どうしようもなく泣けてきたので「いかんいかん、早く寝ないと」と思って看護師さんが準備してくれていた睡眠導入剤を飲んでやっと眠りに就きました。

 子宮と卵巣を取ってしまったことを話せるようになったのは、手術から2年後ぐらいです。それまでは、友達にも言えませんでした。女性ホルモンが欠乏していることを悟られないように、コラーゲンや高級化粧品を買いまくった時期もありました(笑い)。でも、講演会で病気の話をするようになると、「私もそうです」という人たちがいっぱいいて、「みんなしんどいねんな」と気づきました。そして、彼女たちに優しくされて「こんなに明るくなれるんだ」と癒やされたのです。

 病気になって「人は死ぬんだ」と思いました。だから退屈だと思ったり、ケンカなんかしていたらもったいない。もちろん感情の波はありますけど、今は自分の根底にそんな“軸”がある気がします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々

  4. 4

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  5. 5

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  1. 6

    カミソリをのみ込んだようなのどの痛み…新型コロナ「ニンバス」感染拡大は“警戒感の薄れ”も要因と専門家

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  4. 9

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  5. 10

    辻希美“2億円豪邸”お引っ越しで「ご近所トラブル」卒業 新居はすでに近隣ママの名所