意識障害から負の連鎖へ 高齢者の「脱水」が認知症を招く

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 脱水でのみ込みづらく、誤嚥を起こしやすい。便秘になりやすく、急性腹症につながる。

「救急搬送されて入院となると、高齢者では廃用症候群(過度の安静状態で心身の機能が低下する)や認知症の悪化を招く。むやみに救急車を呼ばなくて済むためにも、日頃からの脱水予防が大切です」(秋山氏)

 ところが、高齢者では水を向けても飲まない人が少なくない。「トイレに行く回数を増やしたくない」「嚥下機能の低下でむせる」といった理由で水分摂取を控える人や、「判断力が衰え、お茶が入った一杯の湯飲みをいつまでも持っている」という人も。

「そういう場合は、経口補水液のゼリータイプがおすすめです。水分では取ろうとしない高齢者も、ゼリーだとつるっと食べてくれる。それが呼び水になって、水分を取ってくれることはよくあります」(秋山氏)

 親と離れて暮らしている人は、せめて、経口補水液のゼリーを親に送るところから始めるか。

 高齢者はそもそも、脱水を起こしやすい。主な理由は以下の通りだ。

●筋肉量の低下
●喉の渇きを自覚しづらい
●腎機能の低下
食事量の減少
●利尿作用のある薬の服用
●認知症で暑さが平気に
●認知症で自律神経の働きが低下

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