著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

妊娠中に携帯電話を頻繁に使うと子供の言語能力が高く?

公開日: 更新日:

 妊娠中の携帯電話やスマートフォンの使用が胎児にどのような影響を与えるのかに関して、一定の見解は得られていないようです。過去には妊娠中の携帯電話使用が、出生した子供の問題行動に関連するという研究も報告されているようですが、一方で関連性はないとする研究もあります。

 そんな中、妊娠中の携帯電話の使用と、出生した子供の言語発達遅延リスク、運動能力低下リスクの関連を検討した論文が、生物医学誌で有名な「バイオメド・セントラル」の公衆衛生専門誌に2017年9月5日付で掲載されました。

 この研究は4万5389例の母子ペアを対象に、母親には妊娠初期における携帯電話の使用頻度をアンケート調査し、出生した子供には3歳時点の言語能力、運動能力が調査されています。

 その結果、母親が携帯電話を使用しなかった子供に比べて、携帯電話の使用があった子供では、言語能力の発達遅延リスクが17%低いという結果でした。このリスクは携帯電話の使用頻度により異なり、低頻度では13%、中等度の頻度では22%、高頻度では29%低下しました。つまり妊娠中の携帯電話使用が言語能力発達の低下リスクを抑制するという結果になっています。さらに運動能力低下リスクも18%低下するという結果が示されました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性