軽症時から突然死 新たな「糖尿病合併症」はこんなに怖い

公開日: 更新日:

「しかし、糖尿病が心血管疾患の独立したリスク因子であることはさまざまな研究で報告されています」(槇野医長)

■従来通りの対策ではNG

 医学雑誌「ランセット」に掲載された論文では、糖尿病がない人の心筋梗塞のリスクを1とした場合、糖尿病がある人のリスクは男性2・7倍、女性4・3倍に跳ね上がる。女性の方がリスクが高い理由は分かっていない。

 また、糖尿病は動脈硬化を進行させるが、動脈硬化の危険因子である高血圧、高コレステロール血症、喫煙の保有数が増えるにつれ、心血管疾患死亡数は確実に増加。糖尿病でない人でも同じことがいえるものの、糖尿病群の増加の度合いとは比べものにならない。

「糖尿病があると平均余命が短くなります。日本で24年間追跡調査した結果では、男性は約9歳、女性は約7歳短い。原因のひとつが、心血管疾患なのです。糖尿病治療は血糖コントロールだけでなく、心血管疾患のリスク要因も見据えた治療が必要です」(槇野医長)

 糖尿病治療は、血糖値を正常範囲に下げ、維持するのが基本。ところが心血管疾患の予防も見据えた治療では、「血糖値を下げれば良い」という考えは当てはまらない。下がりすぎて起こる低血糖は、これまで認識されていた以上に弊害があると分かったのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変