えのきどいちろうさん 続発性の脳腫瘍と「一生付き合っていく」

公開日: 更新日:

「俺、脳腫瘍だってさ……」

 カミサンにそう電話した後、慈恵医大病院の石段に座って、午後の診察が始まるまでボーッとしていました。そのときは「ああ、死ぬんだなぁ」って思いました。いま思えば、眼科の先生が「脳腫瘍です」なんて、きっちり病名まで言わなくてもよかったんじゃないかなと思いますけどね(笑い)。

■近所の眼科で検査したら「脳腫瘍です」

 そもそもの始まりは、視力が落ちてきたから、ちゃんとしたメガネを作ろうと思っただけなんです。いまから23年前、35歳のボクは草野球チームの4番バッターでした。そのシーズンは打撃好調で、「もっと打ちたい」という欲を持ったわけです。その頃、視界の右上にモヤがかかるような感じがあって、仕事やテレビゲームのやりすぎで視力が落ちているのだと思っていました。ここらでひとつ元ヤクルト古田敦也さんのようなパーフェクトな、本当にちゃんとしたメガネを作れば、もっと打てるんじゃないかと考えたのです。

 夏の終わりに近所の眼科で検査をしたところ「目自体の問題じゃないですね」と言われ、慈恵医大病院の眼科を紹介されました。後日に受診すると、MRI検査があり、その画像を見ながらその眼科医に「ここの白いのが脳腫瘍です」とサラッと言われたのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」