著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【降圧薬】市場は5500億円 ジェネリックのシェアは1.6%

公開日: 更新日:

 しかし降圧剤でこの目標を達成するのは、かなり厳しそうです。ジェネリックの中で最も多く使われている「シルニジピン錠10ミリグラム(沢井製薬)」ですら、1億錠に達しません(9700万錠)。全体(61億2000万錠)のわずか1・6%です。金額的にもジェネリックが占める割合は少なく、総額370億円。市場占有率は6・7%にとどまっています。

 降圧剤はよほどオイシイ商売なのでしょう。国内大手3社(武田・アステラス・第一三共)とその関連会社が上位をガッチリと独占しています。またジェネリックに付け入るすきを与えないように、各社とも新薬の開発に余念がありません。従来品よりも降圧効果が高いクスリを投入できれば、安いジェネリックよりも優位に立てるからです。

 臨床試験データの改ざんで大騒動を起こしたディオバンは、その後も使われ続けています。10位に80ミリグラム錠がランクイン、31位にも40ミリグラム錠が入っていて、合わせて197億円を売り上げています。とはいえ事件前の2009年度には1400億円といわれていましたから、往年の面影はありません。

【連載】全国の医師が処方した薬 ベスト10

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