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永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

孤独<6>遺伝子検査で自殺リスクが分かる?

公開日: 更新日:

 SKA2遺伝子の働きが低下すると、不安感が増すため、抗ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が上昇することも分かってきました。コルチゾールは、ストレスからわれわれを守る大切な働きを担っています。

 しかし、先日もお伝えしたとおり、血中濃度が高い状態が続くと、高血圧、高血糖、寝不足など、体にさまざまな悪影響が出やすくなります。

 このように、SKA2遺伝子のエピジェネティクスは、孤独による健康問題や自殺問題を理解する上で、重要なカギのひとつになりそうです。

 しかし残念ながらSKA2遺伝子がメチル化されているかどうかは、簡単に調べることができません。そのため、世界中の研究者や製薬会社が、血液などから簡単に自殺を予測できる検査方法を開発しようと、しのぎを削っています。現時点では、うつ病や双極性障害(いわゆるそううつ病)の血液検査が開発されつつあります。近未来には「孤独度」や「自殺確率」を数値化できる検査が登場するかもしれません。

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